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投資情報サイト東京IPO TactiXコラム

第3回「大量保有報告書を提出する機関投資家の分類」


調べることができる投資家は個人的には3種類に分類できると思います。
EDINETで大量保有報告書のデータを閲覧でき、保有目的や取引経緯も記載されている場合があるので背景がなんとなく分かるのです。

まず、フィデリティ、JPモルガン、タワー等の運用会社。
投資信託業や投資一任業務として買うため提出義務は3週間後ながら、一度保有報告書を提出してからもジリジリと買う事が多い。
また、実績のある会社なのでそれなりの裏づけがあるから買うはずと考えることができます。

そして、いわゆる物言う投資家系。
スティール、スパークスの一部が代表的です。まず大量保有報告書を出して存在感をアピールし、友好的に対話を行ったり、何も言わず株式を買い増すことで経営陣に重圧をかけたりして、株式価値を上昇させることを狙うことが多いです。

最近ではイチゴアセットがジリジリと買い増ししていたパトライトが旧経営陣のTOBで一気に株価が上昇しました。裏で会話があったのかは分かりませんが、増配すればラッキーと思って追随買いをしていた投資家は恩恵を預かった例でしょう。

最後によく分からないのが証券会社。
EDINETへの記載は消費貸借やトレーディング目的が多いです。ただ、市場で買う場合もあれば誰かから借りてきていると思われることもあり、需給への影響が不透明です。

借りてきた株を市場で売ることも勿論ありですが、売った場合は大量保有報告書の提出が不要なのか、また貸した側は大量保有報告書を出さなくていいのか。
例えばパッシブファンドで日銭を稼ぐために株を貸す場合がありますが、当然所有者はファンドの運用会社のままです。両方に所有を認めれば当然混乱しますし、そこらへんの整理が難しいです。

とりあえず貸した側は大量保有報告書の提出は不要なようですが、私自身も
法律をじっくり読み込んでないので、理解不足なのは御容赦ください。

とはいえ証券会社の大量保有報告書は面白いものが多いです。
例えば、GSが加藤製作所の大量保有報告書を提出してますが、目的は「有価証券関連業務の一部としてのトレーディング・有価証券の借入等」これに関する契約は「株券の消費貸借により機関投資家から301,000株の借入」となっております。そして10月9日から12月7日にかけて毎日のように売買を繰り返して いることが報告されているのです。

裁定取引にしちゃ玉が小さい気がしますし、ずいぶんとまた小刻みにポジションを調整しているなあと思いますが真相は謎です。ポートフォリオペアトレードでもしてるのでしょうか。

以上、本当に大まかですがTactiXに記載されているデータの意味でした。
次回は、「どんな投資アイデアがあるのか?」についてお話しします。


某運用会社日本株トレーダー 鰊




第1回 TactiXって?

第2回 そもそも大量保有報告書って何?
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