大口投資家が提出する「大量保有報告書」に基づき、株価と売買の相関関係をグラフ化したプロの機関投資家の売買動向が一目瞭然の便利ツール。気になる投資家や銘柄を登録すれば関連ニュースをメールで知らせる機能も!

投資情報サイト東京IPO TactiXコラム


第4回「TactiXで買いのタイミングを計れるのか?」


さて、TactiXを如何にリターンに繋げるのか。
これは難しい問題です。

このツールで使える情報はざっくり二つ。
1、初めて5%を超えた報告
2、その後の動向の報告
これを如何に活用するか。

まず機関投資家の動向として考えるべきは「彼らがどこまで買うのか?」

大量保有報告書を出した時点で既に買い終わっている可能性もありますし、下手したら目標株価に達したとして売りに回っていることもあります。

その一方で、流動性が低いためにまだ買い続けていたり、業績が思ったよりも堅調でさらにポジションを積み増していることも当然あり得る事態です。

但し、共通して言えるのは「目標株価が今の株価よりも上だから買った」ということ。

企業経営者にヒアリングしたのに裏切られることもありますし、見込み通りにならないこともなくはありませんが、やはり「上がると見込んだから買う」のが前提です。

従って、まず着目すべきは株価推移です。

ピクリとも動いていなければ、見通しが変わらない限り彼らは売らないでしょう。
一方で、株価が急騰していればそれだけファンドの中のポジションも増えるわけなので追随買いは期待しにくいかもしれません。

難しいのは、5%ルールに出てくるような買いが入ったのにピクリとも動かない株は果たして上がるのか?そして、急騰していても「上がればもっと買う」機関投資家は少なくないという事実。

ややこしくなってきましたね。

それだけこの大量保有報告書から推測できることが多いということです。
シンプルに考えると、大量保有報告書から間違いなく言えることは何らかの買い材料があったからこそ機関投資家が動いたという事実だけです。
彼らがその後にどう動くのか推測するのは過去の売買動向を分析しなれけばなりません。

タワー投資顧問を追いかけている方々の中には、彼らの動向に辟易している方もいらっしゃると思います。「まだ買うの?付き合い切れないよ」と。
あくまで噂ですが、彼らは自身の基準で割安と判断できれば、他の投資家がどう思おうが買い続けるとか。ポジションを外したい時は有難い話ではありますが。

一方で、絶対に大量保有報告書を出さないように売買するヘッジファンドもあるらしいです。
最初にTactiXに触らせてもらった時に「あれ?あのヘッジファンドは?」と思ったのですが、色々噂を聞いてみると彼らは何があっても大量保有報告書を出さないような売買を意識しているとか。

従って、買いのタイミングに活用するには「フィデリティが買っているのは何故?」
「まだ株価が動いてないから今後テクニカルなシグナルが出れば爆発するかも」
と考える方が無難でしょう。

もちろん機関投資家によって癖はあります。
過去のデータを見れば、上限何億円、下限何億円までポジションを積んだというのが分かるでしょう。

ポートフォリオに組み込む以上はある程度の金額分は保有しないとリターンに繋がりませんし、組入上限を設けている(発行済株式総数の20%まで等)会社もあると聞きます。それらの情報と銘柄をインプットすれば、買い続けるのか否かのシナリオは作ることが可能です。

しかし、機関投資家は多くのファンドを運用しているので、全ファンドで買いに行くこともあれば、少ないファンドでしか買わないこともあります。また、ポートフォリオの主力として組み込むのか、そうでないのかによって大きく振れることもあるでしょう。

よって、それらの情報は「機関投資家が動くに値する材料がある」ということ以外は、確度が低いものです。盲目的に真似して売買するには、投資金額の少ない個人投資家の方にとってはノイズでしかありません。

ではTactiXはあまり使えないのか?

違います。個人的にはTactiXの本領は売りのタイミングを計ることにあると思ってます。

今回のコラムにヒント出まくりですが、これは次回に。


某運用会社日本株トレーダー 鰊



第1回 TactiXって?

第2回 そもそも大量保有報告書って何?


第3回 大量保有報告書を提出する機関投資家の分類
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